F.A.ユーベルのクラリネット、モデル811のA管です。手持ち唯一のA管でしたが、A管を吹く機会が全くなくなってしまったので、どなたかにお譲りします。モデル811は、1970年代のリフォームドベーム式クラリネットで、当時、海外ではよく流通していたプロフェッショナルモデルです。質の良いグラナディラに、質実剛健なキーシステムで、ドイツ魂を感じる一本です。芯が太く、豊かで温かい音色も大変気に入っていました。製造番号は、76万番台で上管下管ともに一致しています。1970年代後半のロットと思われます。管体に、割れや補修後はありません。キーのメッキはシルバーメッキですが、小傷や拭き傷は見られるものの、大きな劣化はなく、年代を考慮してもきれいな状態を保っていると思います。今年の3月に、修理工房で全タンポをホワイトレザーに交換、不良キーコルクを交換、全体調整してもらい、その後は、数回吹いたのみで保管していました。この度出品に当たり、再度調整に出しています。付属品は、ヤマハ製のダブルケースのみ(純正品が使用に耐えられない程ボロボロで廃棄してしまいました)となります。バレルは、67mmと65mmの2本付属していますが、実測値は、それぞれ63mmと61mmです。おそらくヨーロッパのハイピッチに合わせるために加工されたのだと思います。ドイツ管ですが、マウスピースは、バンドレン等のフランス管用が使用できます。私は、手持ちのセルマーの66.5mmのバレルがぴったりハマり、バンドレンのM30で442Hzで演奏できていました。ドイツ管体でありながらフランス式のキーシステムで、フランス式の運指、マウスピースで演奏できる珍しいクラリネットです。40年以上前のクラリネットですが、どなたか興味と理解のある方にお譲りしたいと思います。